リサイクル法とは、自動車メーカーおよび関連事業者に廃車資源の再利用を義務づける法律です。
制度の背景
使用済自動車は中古部品や金属回収の観点から価値が高く、国内の自動車解体業者等によって80%程度(重量ベース)がリサイクルされ、残りは主にシュレッダーダストと呼ばれる破砕残さとして埋立処分されてきました。
近年になって、産業廃棄物の最終処分場の逼迫によるシュレッダーダストの処分費の高騰や、鉄スクラップ価格の低迷により、従来のリサイクル・処理システムがうまく機能しなくなってきました。費用を支払って使用済自動車を引き取ってもらう逆有償化の現象が生まれ、負担を嫌った業者等による不法投棄が多発し、大きな社会問題となりました。
現在は、鉄スクラップ価格も一時期と比較すると回復していますが、その変動は大きく、いつ市況が悪化し、同様の問題が発生するか分からないため、市況に左右されない安定したリサイクルシステムの構築が求められています。
また、フロン類の回収・破壊や、エアバッグ類の適正処理という新たな環境問題への対応も必要となっています。
費用負担方法
使用済自動車のリサイクル(フロン類の回収・破壊並びにエアバッグ類及びシュレッダーダストのリサイクル)に要する費用は、自動車の所有者に負担していただきます。
リサイクル料金の負担の時点は、次のとおりです。
- 制度施行後購入される自動車については、新車購入時
- 制度施行時の既販車については、最初の車検時まで
- 車検を受ける前に使用済みとなる自動車については、引取業者への引渡し時
リサイクル料金は予め各自動車製造業者等が定め、公表します。これにより自動車製造業者間の競争が生じ、リサイクル容易な自動車の設計・製造や料金低減が図られると考えられます 。
リサイクル券
新車の場合、リサイクル料金は購入時に支払い、その証明としてリサイクル券を受け取ります。
販売業者も車両を仕入れる段階でリサイクル料金を含めて仕入れを行います。
中古車を購入する場合は、リサイクル料金を含んだ車両代金を支払うことになります。
オーナーは代わってもリサイクル券はついて回り、最終オーナーがリサイクル料金を負担することになります。